テストステロン

筋トレが生み出す「マイオカイン」、その効果や増やし方とは

ここにたどり着いた読者なら、「筋トレが大事」であることは理解してるだろう。筋トレ、もとい運動は心身に対して様々な好循環を生み出し、また骨粗鬆症や様々な生活習慣病の予防、テストステロンをはじめとするホルモン分泌を促す作用がある。

ではなぜこのような作用が発生するのか。その一つの答えが今回の「マイオカイン」だ。マイオカインとは骨格筋(筋肉)から分泌されるホルモンやペプチドなどの物質の総称で、発見されてから日が浅く未だ研究途中の仮説である。

今回はこの「マイオカイン」について、その効果や効能、筋トレをはじめとした増やし方について解説していこう。

マイオカインとは?その効能と作用

マイオカインって何?

マイオカインとは、骨格筋(筋肉)から分泌されるホルモンやペプチドなどの物質の総称だ。これらはホルモンの一種であり、筋肉そのものだけでなく、全身の臓器や組織に影響を及ぼす。

特に、脂肪代謝や抗炎症作用、インスリン感受性の向上など、多岐にわたる健康効果が期待されている。運動、特に筋トレを行うことで、マイオカインの分泌が促進されることとが分かっている。

マイオカインの主な機能と働き

マイオカインの主な働きをあげる。

代謝の改善により痩せやすくなる

代表的なマイオカインに「IL-6(インターロイキン6)」があり、炎症を抑えるだけでなく、代謝を活性化する作用がある。代謝とは普段からとる食べ物をエネルギーや身体を作るために分解や合成をする身体の機能だ。

「IL-6(インターロイキン6)」によって脂肪分解が促進されたり、血糖値が調整される。結果痩せやすくなったり、生活習慣病が予防される。血管の老化を防ぎ動脈硬化などを予防するマイオカインもある。

筋肉を増やす

マイオカインは筋肉の合成や修復に影響する。筋肉が取り込むタンパク質(アミノ酸)の合成や、筋トレ後の修復に必要な糖の取り込みを促進するマイオカインも発見されている。※2‐3

アルツハイマー病の予防

アルツハイマー病はアミロイドβと呼ばれる脳内タンパク質が蓄積し、脳神経を死滅させることで起こる脳機能障害だが、マイオカインの一種であるイシリンは、この蓄積を抑制する効果がある。※4

ボケないためにも運動・筋トレが重要ということだ。

その他にも骨密度の増大※5や免疫力強化を促すマイオカインなど、本当に様々な効果があるのだ。

マイオカインの増やし方

マイオカインに様々な健康効果があることは理解できた。ではどうやってマイオカインを増やしたらよいだろうか。結論を言えば、運動習慣は必須だ。特に筋トレを強く推奨する。

筋トレがマイオカインに与える影響

マイオカインは骨格筋から分泌されるが、運動をすることで分泌される「運動誘発性」であることが多い。また運動強度が強ければ強いほど、分泌されることも研究データで出ている。※6

つまり筋トレのような高強度のトレーニングは、マイオカインの分泌には有効ということになる。また筋肉量が多いほどマイオカインの分泌量は増大するため、筋トレによる筋肥大・筋力増加が効果的である。

Physical strength. Young good looking serious athlete lifting a dumbbell and focusing on the activity while sitting on a gym apparatus

マイオカインは発見されてから20年程度と、まだ研究の日は浅い。これから研究が進むことでマイオカインの効果効能が更に見つかっていくだろう。また将来的には、マイオカイン自体を効率的に外から取り込むなどのソリューションが生み出されるかもしれない。

それでも筋トレは重要だ。筋トレ自体には男性ホルモンであるテストステロンや成長ホルモンの分泌など、マイオカインとも関連する様々な効果がある。この記事でマイオカインについて理解が進み、筋トレなどの運動習慣を取り入れるきっかけになれば幸いである。

関連記事:

※1:Pedersen BK et al., “Muscle as an endocrine organ: Focus on muscle-derived interleukin-6,” Physiological Reviews, 2008】。

※2:Ahsan M, Garneau L, Aguer C. The bidirectional relationship between AMPK pathway activation and myokine secretion in skeletal muscle: How it affects energy metabolism. Front Physiol. 2022 Nov 21;13:1040809. doi: 10.3389/fphys.2022.1040809. PMID: 36479347; PMCID: PMC9721351.

※3:Sato K, Iemitsu M, Matsutani K, Kurihara T, Hamaoka T, Fujita S. Resistance training restores muscle sex steroid hormone steroidogenesis in older men. FASEB J. 2014 Apr;28(4):1891-7. doi: 10.1096/fj.13-245480. Epub 2014 Jan 17. PMID: 24443372.

※4:Eunhee Kim 1, Hyeonwoo Kim 2, Mark P Jedrychowski 3, Grisilda Bakiasi 1, Joseph Park 1, Jane Kruskop 1, Younjung Choi 1, Sang Su Kwak 1, Luisa Quinti 1, Doo Yeon Kim 1, Christiane D Wrann 4, Bruce M Spiegelman 3, Rudolph E Tanzi 5, Se Hoon Choi 6 Irisin reduces amyloid-β by inducing the release of neprilysin from astrocytes following downregulation of ERK-STAT3 signaling.Neuron
. 2023 Nov 15;111(22):3619-3633.e8. doi: 10.1016/j.neuron.2023.08.012. Epub 2023 Sep 8.PMID: 37689059 PMCID: PMC10840702 (available on 2024-11-15)

※5:Kirk B, Feehan J, Lombardi G, Duque G. Muscle, Bone, and Fat Crosstalk: the Biological Role of Myokines, Osteokines, and Adipokines. Curr Osteoporos Rep. 2020 Aug;18(4):388-400. doi: 10.1007/s11914-020-00599-y. PMID: 32529456.

※6:Archundia-Herrera C, Macias-Cervantes M, Ruiz-Muñoz B, Vargas-Ortiz K, Kornhauser C, Perez-Vazquez V. Muscle irisin response to aerobic vs HIIT in overweight female adolescents. Diabetol Metab Syndr. 2017 Dec 28;9:101. doi: 10.1186/s13098-017-0302-5. PMID: 29299068; PMCID: PMC5746008.

テストステロンがドバドバ出る究極の筋トレ方法はこれだ!

テストステロンを最大化!筋肉との関係とは

「テストステロンを最大化したい」「筋トレで若返りたい」そう思っている方は多いのではないだろうか。テストステロンは男性ホルモンの一種で、筋肉量を増やしたり、性欲を高めたり、骨を強くしたりするなど、体の様々な機能に関わるもの。男性が男性たる所以がテストステロンと言っても過言ではない。

悲しいことに、20代をピークに年齢を重ねるにつれてテストステロンは減少していく。歳を取るほど、男性らしさがなくなっていく恐ろしい現実が今あなたにも起きているのである。そこで注目されているのが、筋トレだ。

この記事では実際に筋トレに目覚め、テストステロンを最大化し、若々しく活力を得た筆者が読者がテストステロンを効果的に出すトレーニング方法を紹介する。さあ、今日から筋トレだ。

Young bodybuilder doing biceps curls with dumbbells


テストステロンと筋肉の関係、持ちつ持たれつの相互依存

前述の通り、テストステロンは男性ホルモンの一種で、身体の中で生成され分泌される。テストステロンが年齢とともに低下すると、筋肉量と筋力も落ち、また肥満、糖尿病や循環器病の発症に繋がるというエビデンスまである。逆にテストステロンが向上できれば、筋力量や筋力の増大も起こるのである。

この関係性を簡単に解説すると、あなたが日々接種するエネルギー(栄養)を、テストステロンが筋肉に転換するからである。逆にテストステロンが低い人は、同じエネルギー(栄養)を脂肪に変えてしまう。「男性医学の父」である熊本先生によると、メタボリックシンドロームもテストステロンの低下が原因の一つと解説されている。

テストステロンの低下によるメタボリックシンドロームの影響。

※書籍:「男性医学の父」が教える 最強の体調管理 テストステロンがすべてを解決する!  より

また筋トレによりテストステロンが上昇する。この詳しいメカニズムについてはまだ分かっていないことも多いが、簡単に解説しよう。

筋肉への刺激によりミトコンドリアが活性化する。ミトコンドリアはエネルギーをつくる役割を担う、細胞の中の発電所のようなものだ。この発電が活発化されると、テストステロンを合成する酵素が筋肉で増えてテストステロンが向上するのだ。

ビジネスエリートは全員筋トレしろ! 体力低下、ストレス、自信のなさ…すべてを克服して若返る

あなたはニューヨークのビジネスエリートと聴いたらどんな想像をするだろうか。きっと筋肉粒々でスーツをバシッと着こなし、毎日クビと隣り合わせで過酷なビジネスというサバンナを駆け抜けている、そんなイメージではないだろうか。

実際日本でもビジネスエリートを中心に、筋トレをする習慣が広がりつつある。ただ日本と比べても圧倒的な競争社会である米国をはじめとしたグローバルで活躍するビジネスエリートは、息をするかの如く筋トレをしている。

2019年のデータだが、米国のフィットネス人口は全体の20%、それに対して日本は3.3%だ。ビジネスエリートに限って言えば、習慣にしていない人はいないと言ってもいいだろう。

Muscular bearded gentleman in expensive shirt poses and fastens button on sleeve in dark background.

なぜグローバルエリートはそこまで筋トレに熱心なのか、当然数多くのリターンがあるからである。筋トレはテストステロンの向上もあれば、成長ホルモンの分泌により若返り、疲れづらくなる。ストレスホルモンであるコルチゾールの低下、筋力が上がる成長実感を得ることでの揺るぎない自信など、挙げたらきりがないほどメリットがある。

始めるタイミングは早ければ早いほど効果的で、かつ一生の習慣になる。このあと解説するトレーニングを今日から取り入れて、筋トレしよう。

テストステロンをドバドバ出す効果的な筋トレメニュー

ここからはテストステロン向上に有効な筋トレメニューについて解説する。

でかい筋肉を狙え!筋トレのBIG3(ビッグスリー)とは

サッカーならドリブルやシュート、野球なら素振りやキャッチボールなど、どんなスポーツにも基礎がある。筋トレの基礎トレーニングは、「ベンチプレス」「スクワット」「デッドリフト」だ。これらを総称して「BIG3(ビッグスリー)」と呼ぶ。

なぜこの3つがビッグスリーか、それは身体を構成するでかい筋肉に負荷をかけられるからだ。でかい筋肉を鍛えられれば、より効率的に筋力量が増え、結果テストステロンが向上する。

鍛えられる筋肉は、

  • ベンチプレス:「大胸筋(胸)」「上腕三頭筋(腕の外側)」
  • スクワット:「大腿四頭筋(太もも)」、「大臀筋(お尻)」、「大内転筋(内もも)」
  • デッドリフト:「ハムストリング(お尻の付け根から太ももの裏側)」、「大臀筋(お尻)」、「脊柱起立筋(腰部)」

等である。

筋トレ男子の会話で「君はベンチプレス何キロ上がるの?」といった場面がある。ビッグスリーは筋トレレベルを測る指標にすらなっているのだ。

筆者の体感だが、ベンチプレスで100キロを5レップ(回)以上上げられるようになれば、男性の筋力量ではトップ10%に入り、筋トレ討議の中でも一目置かれるようになる。まずはベンチプレス100キロを目指そう。

3つの基礎トレーニングはあなたが筋トレを3ヶ月やろうが、3年やろうが、10年やろうが、ずっと取り組み続ける種目だ。だから最初に大事にしてほしいのは「正しいフォームでやること」である。

自身の限界を超えて筋肥大を目指す中で、このフォーム次第で力の入り方が変わるし、また怪我のリスクも減少する。特にデッドリフトはフォーム次第で効き方が変わるし、腰を痛めるリスクもあるので、トレーナーの指導の元でフォームを固めることをおすすめする。

Muscular build man making an effort while weightlifting during cross training in a gym.

トレーニングは週一でOK?筋肥大と休息のサイクルとは

トレーニングの頻度についてよく聴かれるが、結論として筋肥大には「週一でも十分」だ。筆者も週三程度行ってるが、トレーナーを付けて本当に追い込み切るのは週一で、他の二回は自重トレーニングで自分なりに追い込んでいるメンテナンスレベルに過ぎない。それでもベンチプレス100キロは超えることが可能だ。

逆に週四~五回徹底的に追い込みすぎると、日々の疲労感と重なり完全に回復することが出来ず、かえって怪我しやすくなったり、追い込みきれなくなったり、不健康になる。せっかくコンディションを上げていきたいと思って筋トレを始めたのにこれでは逆効果だ。

目安は週一の徹底した追い込みと、メンテナンスレベルの自重トレーニングを二~三、各部位毎に行うことをおすすめする。以下一週間のトレーニングの一例をあげる。

  • 全身:ビッグスリーを徹底して追い込む。それぞれ10レップ×3セットをやり切ろう。
  • その他の日:腕立て伏せ、足トレ(ブルガリアンスクワットがオススメ)をそれぞれ10レップ×3セット。1種目だけでOK。
休み腕立て足トレ休み腕立て休み全身
30分30分30分1時間

ジムやパーソナルトレーニングには通うべきか

個人個人で金銭事情や都合が違っていると思うが、本気でテストステロンを向上させたいなら、パーソナルトレーニングジムに週一は通うことを強くおすすめする。人間は弱い、筆者も含めて本当の意味で追い込める人間はそうそういない。それでは大きな筋肥大は見込めず、成果が出ないまま諦めてしまう未来が待っている。

個人で独立するトレーナーが増えているが、出来れば友人や知人からの紹介で評判が良いトレーナーについてもらおう。最初の体験トレーニングは入会がかかっている分、トレーナーも最大限営業目的で頑張るが、その後一年以上通うジムトレーナーを一度で見極めることは難しい。

素晴らしいトレーナーとの出会いが筋トレの成果を決め、ひいては人生を決めると思ってトレーナー選びは妥協しないでほしい。

back view of personal trainer supervising african american athlete lifting weight in gym

筋トレ効果を最大化する栄養補給、サプリメントとは

筋トレの基本が理解できたところで、効率的な筋肥大の5割を占める「栄養補給」についても触れておく。トレーニングしても成果が出づらい人は、栄養補給を怠っていることが多い。「私はちゃんとプロテインを飲んでますよ」という方もいらっしゃると思うが、では適切な量を、適切なタイミングでとっているだろうか。ここでは基礎的な栄養補給について解説する。

筋力アップに必須の栄養素とは

筋力アップに必須の栄養素は、とりあえず「たんぱく質」と「炭水化物」と覚えておけば良い。

たんぱく質は恐らくイメージがつくだろう。筋肉や皮膚の元になる材料であり、筋トレにより筋肉が破壊されたあとの「超回復」と言われる減少の際に、適切なタイミングでたんぱく質が接種されれば、修復時に筋肥大が起こるメカニズムだ。

また筋トレをすると身体のエネルギーが失われる。このエネルギーが枯渇した状態で過ごすと、生命維持のために筋肥大が後回しになり、生命維持のために必要な箇所へのエネルギーが優先され思った通りに筋肥大が起こらない。筋肥大にもエネルギーが必要であり、それが「炭水化物」である。

炭水化物は適量(一日200ー400グラム)程度のお米(玄米をおすすめする)を取っておけばよいだろう。問題はたんぱく質である。

たんぱく質の目安は一日体重×1.5~2倍とろう

結論上記であるが、特にトレーニングをした日は体重の2倍を目安に取り入れてほしい。例えば体重70キロの人であれば、140グラムという計算になる。

日本のプロテインは1回で大体20グラムのたんぱく質摂取ができるので、朝、トレーニング最中、夜にプロテインで補充し(60グラム)、昼に何かしらで20グラム、夜に高タンパクのステーキ300グラム(60グラム)で140グラムだ。

食事からの摂取が理想ではあるので、より一回の食事を高タンパクに出来れば更に良い。筆者はサイドメニューで卵(5グラム程度)、納豆(7グラム程度)を毎日2パックずつ取ることで、プロテインの量を減らしている。

いかがだっただろうか。テストステロンを向上させるには筋肥大が最強であり、効率的に成果を出す筋トレや栄養補給について解説させてもらった。なお筋トレ以外にも効果的な方法を知りたければ、以下の記事も参照してほしい。ぜひ今日から筋トレと栄養補給に向き合い、今より更に男らしくてカッコいい状態を目指していこう。

テストステロンを増やす方法3選!様々試した筆者が教えます

テストステロンを増やす重要性と特徴

「最近疲れることが増えたな」

「夜がご無沙汰、精力が減ってきた気がする」

「今ひとつやる気が起きない」

40代以降に差し掛かると、若い頃はあまり感じなかった上記のような症状に悩まされている方も多いかもしれません。筆者も生活習慣が荒れていた30代後半頃に、こうした不調を感じることがありました。原因は様々ですが、「テストステロンの減少」もそのうちの一つかもしれません。

この記事では、近年話題になっているテストステロンの特徴や役割、減少することの心身への影響や、どうやって増やすかについて、筆者の経験談を交えて解説していきます。筆者は現在40代でテストステロン値は同年代と比べて非常に高く、その結果日々挑戦的で楽しい毎日を送っています。

筆者が実践して本当に良かったテストステロンを増やす方法を3選として記載していますので、ぜひ今日から一つでも実践してみてください。テストステロンを増やしてエネルギッシュな毎日に繋げていただけたら嬉しいです。

テストステロンとは?その特徴と効果

テストステロンとは男性ホルモンの一種で、アンドロゲンと呼ばれるステロイドホルモンに属します。主に精巣(睾丸)で産生され、男性の身体的な特徴や性機能の発達に深く関わっています。特徴や効果は以下です。

男性ホルモンの代表格

男性を男性たる身体にする上で最も重要なホルモンです。所謂「男らしさ」を司ります。通称「モテホルモン」。

筋肉や骨の成長促進

筋肉量や骨密度を増やすために欠かせないホルモンです。テストステロンが多い男性は、少ない男性と比べて筋肉の付き方が違い、より男らしい魅力的な身体になりやすいです。

Physical strength. Young good looking serious athlete lifting a dumbbell and focusing on the activity while sitting on a gym apparatus

やる気や挑戦心の向上

別名「やる気ホルモン」と言われている通り、テストステロンが充実することで新しいことへの挑戦や、物事への取り組みへの積極性が生まれます。筆者も非常に実感しています。

性欲/精力の向上

この記事を見られている方の悩みの一つに精力の減少の自覚症状があるかもしれません。その原因も「テストステロン不足」です。テストステロンが上がることで性欲もみなぎり、また女性に対しての性的な魅力も向上します。

「男性更年期障害」の予防

近年取り上げられる事が増えてきた男性更年期障害。後述しますが、テストステロン不足により引き起こされると言われてます。テストステロンは、内臓・血管にコレステロールなどの不純物が貯留するのを防ぐ「一酸化窒素」の産生を促します。この働きが血管に関する病気の予防や内臓脂肪の燃焼につながるためと言われています。

テストステロンの分泌低下の原因

男性のテストステロン低下による体調不良は、個人差が多いのが特徴です。私の周りでも、上場企業を経営するような方は、50歳を過ぎてもエネルギッシュでテストステロン値も高いです(高すぎて性欲を抑えることに苦労している様子)。一方で低下しやすい方もいらっしゃいます。

テストステロン分泌低下の原因

加齢:生き物としての宿命です。テストステロンの分泌量は自然に減少していきます。特に40代以降で顕著に減少していくと言われています。

生活習慣:不規則な睡眠、過度なストレス、喫煙、飲酒、運動不足などは、テストステロンの分泌を低下させる要因となります

肥満:20~40代の若い男性でもテストステロンの分泌低下をもたらし、ひいては勃起機能を悪化させるエビデンスがあります(※1)。

※1:Endokrynol Pol. 2014;65(3):203-9. doi: 10.5603/EP.2014.0028.
Relationship between sexual function, body mass index and levels of sex steroid hormones in young men.
Jastrzębska S1, Walczak-Jędrzejowska R, Kramek E, Marchlewska K, Oszukowska E, Filipiak E, Kula K, Słowikowska-Hilczer J.

性格:ストレスを受けやすいかどうかの差とも言えますが、「生真面目で辛抱づよい」「職場での重要なポジションについている」「休みを惜しんで仕事を優先する」等、普段から仕事一筋で走っているビジネスマンほど慢性的なストレス環境に置かれることが多く、結果テストステロン分泌が低下します。

テストステロン不足の症状と影響

テストステロンが不足すると、心身に大きな影響をもたらします。

身体面:筋肉量の低下、コレステロールが脂肪に転換しやすくなり太りやすくなる、疲れやすくなる、朝立ちが少なくなる(または全くしない、ED症状になる)

精神面:不安になりやすくなる、イライラ、集中力の低下、意欲の低下、性欲の低下、認知力の低下、浅い睡眠

特に男性ホルモンの代表ですから、性に対しての意欲や身体的な機能不全が起こることは、男性としては避けたいところです。また男性更年期障害のリスクが高まるため、血管の硬化により将来的な動脈硬化のリスク等が大きくなります。放置しておくことは先々の命のリスクに関わるわけです。

テストステロンを増やす方法3選

テストステロンを増やすには大きく分けて以下を実践することが重要です。筆者が実践し効果があったものだけ掲載します。

運動:特に筋力トレーニングが有効、筋力がつくことでテストステロンが自然に上昇します。個人的に最もオススメで、これを読んだら今すぐ筋トレを実践しましょう。ランニングなどの有酸素運動も多少効果はありますが、筋力強化よりも脂肪燃焼が目的ですので、あまりオススメしません。

食事:テストステロンの元になるのはコレステロールですが、効果的にテストステロンを増幅させるための食習慣を紹介します。また効果的なサプリ補充についても実体験を元に紹介します。

生活習慣:睡眠や日々のストレスによるコンディションの変化が、テストステロン生産に大きく影響が出ます。簡単に言えば睡眠が少なかったり、日々ストレスにさらされているとテストステロン生成が大きく落ちるのです。

テストステロンを増やすための運動方法

筋トレをやるにこしたことはありませんが、如何に効果的なトレーニングを出来るかが重要です。筆者自身もコロナ前から自宅で筋トレを行っていましたが、エクササイズ程度だと目に見える実感を持つのに時間がかかります。

テストステロンを増やす効果的な筋トレの実践方法

大きな筋肉を鍛える:人間の筋肉は上半身が3~4割、下半身が6~7割と下半身が過半です。そのため、スクワットやデッドリフト等で、大臀筋(おしり)や太ももを鍛え、ベンチプレスで大胸筋(むね)を鍛えることで筋力量を増やし、テストステロン値を上げることが出来ます。

週1回は徹底的に追い込む:筋力量が増えるメカニズムは、筋肉に負荷をかけることで筋線維が損傷し、回復する過程で筋線維が太くなる「超回復」を繰り返すことで増加します。つまり適度なトレーニングだでは筋繊維の損傷に至らず、結果筋肉が増えないことになります。

重りをつけたトレーニングではギリギリ8~10回が出来る重さで3セット、自重トレーニングではこれ以上出来ないと感じた時点から+5回を3セット行い、週一回は徹底して追い込みましょう。あなたも追い込みがクセになります。

身体つきが変わると自己肯定感も上がります。私の周りの経営者も筋トレに目覚め、テストステロンと成長ホルモンのお陰で若々しく、どんどん男らしくなっています。

また効果的に筋肉をつけるためには、筋トレと合わせて栄養補給を欠かさないようにしましょう。筋繊維強化にはたんぱく質が欠かせません。トレーニングした日は体重の2倍、普段も体重の1.5倍のたんぱく質が目安です。足りない分はプロテインで補うか、消化吸収を重視するならパウダータイプのEAAを取ることもオススメです。

テストステロンを増やす食事と栄養

テストステロンを高めるには、バランスが取れた食事をすることが大切です。


テストステロンを増やすために摂りたい栄養素

亜鉛

精子の生成を促し、テストステロンの産生をサポートします。海外ではセックスミネラルとも呼ばれており、精子の働きに関与しています。さらに、老化の原因である活性酸素の除去にも効果が見込まれます。牡蠣、レバー、ナッツ類などが豊富です。私は血液検査の結果不足していることが分かったので、サプリで補充しています。

ビタミンD

カルシウムの吸収を助け、骨の健康を維持するだけでなく、テストステロンの分泌にも関与していると考えられています。日光浴でも生成できるといいますが、紫外線はデメリットもあるので、食事やサプリメントで摂取を推奨します。きのこ類、卵黄などを摂取することで補えます。私はサプリで補充しています。

たんぱく質

筋肉や皮膚の合成に必要な栄養素で、赤身肉、鶏肉、魚、卵、大豆製品などを積極的に摂取しましょう。足りない分はプロテインで補充しましょう。ホエイプロテインは吸収がよくオススメです、更に吸収にこだわる方は、たんぱく質があらかじめ分解されてアミノ酸を直接接種できるEAAがオススメです。筆者はたんぱく質分解力が高くなく、体重の2倍×グラム摂取しても消化しきれないことが分かったので、EAAを取るようにしています。

コレステロール

テストステロンの原料となる物質です。卵黄、肉、乳製品などに含まれていますが、過剰摂取は心疾患のリスクを高めるため、バランスが大切です。

DHEA(デヒドロエピアンドロステロン)

副腎から分泌されるホルモンで、テストステロンの前駆体(前の段階)です。山芋や里芋などに含まれています。筆者はサプリで補充しています。


テストステロンを効果的に増やすサプリの成分

テストステロンを増やすために、不足している成分をサプリで補うことが大切です。


テストステロンを増やすサプリメントの選び方と代表的な成分

選び方として重要なことは、足りないものを補う考え方です。例えばDHEAはテストステロン生成に必要な前駆体ですが、それ自体の数値を闇雲に上げても、生成に必要な栄養素が欠けていたら意味がありません。以下でサプリメントで接種する代表的な成分を紹介します。

DHEA(デヒドロエピアンドロステロン)

先ほど紹介したテストステロンの前駆体(前の段階)で、以下図のようにテストステロンになる前の物質として重要な役割を果たします。DHEAの産出がストレスの影響で下がると、テストステロンの生成がされずらくなります。

引用:メタボの原因はホルモン低下、「運動」と「ネギ食」で改善 日経ヘルス

筆者のDHEA産出量は少なくはありませんが、よりアグレッシブになるために以下のサプリメントで補充をしています。

亜鉛

精子の生成やテストステロンの産生に不可欠なミネラルです。亜鉛不足は、テストステロンの低下や性機能の低下につながる可能性があります。私も血液検査の結果として亜鉛の数字に改善余地があったので、毎日こちらのサプリをとっています。

その他シトルリンは血管拡張の効果があり、勃起改善に効果的です。筆者は飲んでいませんが、その他ホルモンバランスに影響が出る栄養素をバランスよく取ることが大事です。

副作用とリスクについて

体内での適切な代謝を促すためには、栄養素が少なすぎも駄目ですが多すぎもよくありません。とりすぎは様々な副作用を招きます。不足感を補うためのサプリ補充は気軽に出来るようになりましたが、本来は血液検査の結果を元にお医者さんと話し合って適切な補充をするようにしましょう。

テストステロンは更年期障害に打ち勝ち、男らしさを維持するために不可欠なホルモンです。記載した習慣を一つでも取り入れて、テストステロンを強めて日々エネルギッシュな毎日を送りましょう!